私で言えばタイヤとか。身近なものでもカタログを見ると「オープン価格」とあって今見てる店の価格が高いのか安いのか分からなくて困ったことはありませんか?
値段がわからなくて困るのは、実は店側も同じ。ではなぜオープン価格になっているのでしょうか?
実は、消費者を守る為の制度だった!?オープン価格について説明します。
オープン価格ってこんな制度
オープン価格とは、製品のメーカーが小売価格を定めず、小売業者が自由に価格を決定できる制度を指します。
要は、価格が決まっていないという事!
日本では、家電製品やデジタル機器などの分野でよく見られる価格設定の方法です。
通常、メーカーが推奨小売価格を設定するのに対し、オープン価格ではその縛りがなく、各店舗が独自に価格を設定します。
オープン価格の特徴
小売業者は他店との競争を意識して価格を設定するため、消費者にとっては価格の幅が広がり、比較がしやすくなります。
小売業者は在庫状況や季節の需要など、市場の変動に合わせて価格を柔軟に変動させることができます。
店舗ごとの販売戦略によって、割引やキャンペーンを自由に組むことができるため、消費者にとってはよりお得な買い物ができる場合もあります。
メリット
- 消費者の選択肢が広がる
・・・同じ商品でも、異なる店舗やタイミングで価格が変わるため、より安く購入できるチャンスがあります。 - 小売業者の競争促進
・・・自由な価格設定が可能なため、小売業者間での競争が促進され、価格だけでなくサービスの向上も期待できます。
デメリット
- 価格が不透明になることも
・・・店舗ごとの価格が異なるため、消費者にとっては「適正価格」がわかりにくくなることがあります。 - 価格のばらつきが生じやすい
・・・時間や場所によって価格が大きく変わるため、購入するタイミングや場所を慎重に選ぶ必要があります。
オープン価格が採用される理由
メーカーがオープン価格を採用する理由としては、価格競争による市場の活性化や、小売店の販売戦略に柔軟に対応できる点が挙げられます。また、メーカーは価格に関与せず、製品の品質や特徴で差別化を図ることが可能です。
オープン価格制度は消費者にとって利点が多い一方、情報の非対称性や価格差が生じるため、しっかりと価格を比較することが重要です。
オープン価格の歴史
1. 戦後日本の価格統制からの変化
戦後、日本の経済は高度成長期に突入しました。
この時期、多くの製品はメーカーが「定価」として価格を設定し、小売業者はその価格に従って販売するのが一般的でした。
この「定価販売」制度は、メーカーのブランドイメージや利益を守るために有効で、消費者も価格の安定性を期待できました。
しかし、1960年代から1970年代にかけて、自由経済の発展とともに、価格競争が市場に大きな役割を果たすようになりました。
小売業者間の競争を促進し、消費者にとって有利な市場環境をつくるために、「価格の自由化」が進んでいきました。
2. 独占禁止法と価格の自由化
1970年代に入り、メーカーが小売店に対して一律の価格を強制することは、競争を妨げるとして問題視されるようになりました。
これが「再販売価格維持制度」に対する批判につながり、最終的には1973年に多くの製品に対して「再販制度」の適用が廃止されました。
この法改正により、小売業者はメーカーからの指示に縛られず、自由に価格を設定できるようになりました。これが、オープン価格制度の広がりを後押しすることになりました。
3. オープン価格の登場と普及
1980年代には、特に家電製品を中心に「オープン価格」という言葉が広く使われるようになりました。
これは、メーカーが推奨する価格を提示せず、小売業者が自由に価格を決められる制度です。
家電業界では競争が激化していたため、オープン価格の導入により、各小売店は独自の価格設定を行い、消費者に対して値下げ競争が活発化しました。
この頃から、家電だけでなく、多くの製品分野でオープン価格が採用されるようになりました。
特に高額商品であるテレビやパソコンなどでは、店舗ごとに大きな価格差が生じ、消費者は価格比較を行うことが一般的になりました。
4. 現在のオープン価格
現在では、オープン価格は家電製品を中心にさまざまな分野で広く見られる制度です。
特にインターネットが普及した現代では、オンラインショップが価格競争をさらに加速させ、消費者は手軽に価格比較ができるようになりました。
これにより、オープン価格制度は消費者にとってより透明性が高く、柔軟な市場環境を提供しています。
まとめ
- 1950年代-60年代: メーカーが定価を設定し、価格は一定だった。
- 1970年代: 再販制度の廃止により、価格の自由化が進む。
- 1980年代: 家電業界を中心にオープン価格が広がる。
- 1990年代以降: インターネットの普及で価格競争が激化し、オープン価格が多くの分野で定着。
消費者ができる6つの行動
1. 価格比較を徹底する
オープン価格では、同じ商品が店舗ごとに異なる価格で販売される可能性が高いです。
そのため、複数の店舗やオンラインショップを比較し、最もお得な価格を探すことが必要です。
特に、家電製品や高額な商品では価格差が大きくなることがあるため、比較サイトやアプリを活用して価格を調べるのが効果的です。
具体的なアクション:
- 価格比較サイトやアプリ(価格.comなど)を利用する。
- オンラインと実店舗の価格差を調べる。
- キャンペーンやセール情報をチェックする。
2. 購入時期を見極める
オープン価格では、商品の価格は需要や在庫、季節によって変動することがあります。
特にセール時期や、新製品の発売に合わせて旧モデルが値下がりすることもあります。
そのため、必要に応じて購入時期を調整することが賢明です。
具体的なアクション:
- 年末やボーナスシーズンなど、特定の時期に開催される大規模セールを狙う。
- 新製品の発表後に旧モデルが値下がりするタイミングを見計らう。
- 在庫処分セールや、季節の終わりのセールを利用する。
3. 付帯サービスや保証を確認する
オープン価格では価格が自由に設定されるため、単純に安い価格だけに飛びつかないことも重要です。
特に家電や高額な製品では、保証内容やアフターサービスが購入後の満足度に大きく影響します。
安く購入したものの、アフターサービスが不十分だったり、保証期間が短かったりする場合には、結果的にコストがかかることもあります。
具体的なアクション:
- 保証内容や延長保証の有無を確認する。
- アフターサービスや返品ポリシーを比較する。
- 配送や設置サービスが含まれているかどうかを確認する。
4. 価格以外の要素も評価する
オープン価格では価格が変動しやすいですが、消費者としては価格以外の要素も考慮する必要があります。
たとえば、信頼できる店舗かどうか、カスタマーサービスの質、商品の品質やレビューなども重要です。
オンラインショッピングの場合、店舗の信頼性や購入者の評価を確認することで、トラブルを回避できます。
具体的なアクション:
- 口コミやレビューを確認して、販売店や商品の評判を把握する。
- 公式ショップや信頼できる大手小売店での購入を優先する。
- ポイント還元や特典があるかどうかを確認する。
5. ポイントや割引クーポンを活用する
価格競争が激しいオープン価格の市場では、ポイント還元やクーポンなどの割引サービスが多く提供されています。
これらをうまく活用することで、さらにお得に購入できることがあります。
具体的なアクション:
- クーポンコードや割引キャンペーンを利用する。
- ポイント還元率が高い店舗で購入する。
- 特典付きクレジットカードで支払いを行う。
6. 交渉する
一部の店舗では、オープン価格が設定されている商品でも交渉の余地がある場合があります。
特に大型家電や高額商品では、交渉に応じてくれる場合があるため、店員に相談することでさらに価格を引き下げられることもあります。
具体的なアクション:
- 他店の価格を提示して交渉する。
- 複数の商品を一度に購入することで割引をお願いする。
まとめ
オープン価格制度下では、消費者が価格をしっかりと比較し、賢く購入することが求められます。
価格だけでなく、サービス内容や購入時期、保証などの要素も総合的に判断し、自分に最適な購入方法を見つけることが大切です。
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