最近EV関連の報道が手のひらを返した様に「ハイブリッド車最高!」という雰囲気になってきました。
ほんと極端な方々です。情勢を見るとEVシフトは当初計画ほど急なものではなくなったのかもしれませんが、今後もEVの占める割合は増加トレンドなのは変わりません。
EVの魅力の一つとして「維持費が安い」とよく言われています。
今回はEVとガソリン車の維持費を具体的に比較し、「本当にEVは安いのか?」を検証してみようと思います。
電気自動車(EV)の維持費に影響する要素
充電コスト
自宅で充電するのか公共充電を使用するかで消費する電力を充電する必要があります。
1. 家庭用充電(夜間電力プラン)
電力会社の夜間割引プランを利用すると、1kWhあたり約10〜15円ほど。
テスラモデル3などの場合、1回のフル充電で約50〜70kWhを消費し、1回の充電コストは500〜1,050円程度です。
これは地域や月あたりの使用電力量で変わるので参考程度ですね。
基本的に日頃は家庭用の200V充電器を設置して充電し、出先などで高速充電器を使用するというのが現実的でしょう。例えばテスラでは、ウォールコネクターの設置にかかる費用は、充電器本体の購入費と工事費を合わせて、一般的には10~15万円程度が相場です。
2. 公共充電ステーション
高速充電器を使うと、1kWhあたり約30〜60円と高め。
フル充電では1,500〜3,000円程度かかることが多い。これも契約によりけりです。
メンテナンスコスト
電気自動車(EV)のメリットは、エンジンが存在しないため、オイル交換やエンジン関連のメンテナンスが不要です。これにより、ランニングコストが低く、手間も省けます。
さらに、構造がシンプルなため、故障リスクも減少します。
ブレーキやタイヤなど消耗品の交換
EVでは、回生ブレーキシステムによりブレーキパッドの摩耗が少なく、交換頻度も低くなります。
ただし、タイヤやワイパーなどの一般的な消耗品は定期的に交換が必要です。
ここら辺は、ガソリン車関係なく必要になってくる部分です。
省メンテナンスの利点
オイル交換やエンジンメンテナンスが不要なため、長期的なメンテナンスコストが大幅に削減できます。
また、ブレーキパッドの寿命が長くなるため、部品交換頻度も低く、総合的にメンテナンスの手間が少ないことが大きな利点です。
バッテリーの劣化と交換コスト
皆さん携帯電話のイメージで劣化したバッテリーを交換しないといけないイメージがあると思います。
現に年数が経った2代目プリウスなどでは交換したという話よく聞きます。(初代は流石に現存が少ないですが)
ただ最近のEVではもうちょっとマシになっています。
例えばですが、テスラモデル3のバッテリー劣化は、一般的に緩やかです。
テスラは、バッテリーが高い耐久性を持つよう設計されており、通常は初めの数年で約5〜10%の劣化が見られるものの、その後は劣化速度が低下します。
テスラは、モデル3のバッテリーに対し、8年または約160,000km(走行距離)の保証を提供しており、これによりバッテリーの大幅な劣化は避けられます。
日本の新車購入時の平均保有年数は約8年から9年ですので、リセール時を考えても十分な新車保証がされていると考えることができます。なので、いったんは考えから外しても良さそうです。
ガソリン車の維持費に影響する要素
燃料コスト
ガソリン代最近高騰しましたね。
2024年9月の時点で、日本全国のハイオクガソリンの平均価格は約181.2円/Lです。
先ほどからリファレンス車としてモデル3を出してますが、あのぐらいのコンパクトセダンとなるとベンツCクラスやアウディA4ぐらいの車格になるのでハイオクで見ておきましょう。
計算しやすいように、15km/Lとすると500km走るのに6000円ほど必要になります。
一回の満タンコストは自宅充電の場合のEVと比べて6倍ぐらい必要になるわけです。
定期メンテナンス
エンジン関係のメンテナンスコストがかかるのがEVと比較した際の大きな違いとなります。
とはいっても、個人的にはエンジンオイル、プラグ、エアフィルター、ファンベルト、補機バッテリーぐらいしか変わらないと思います。燃料ポンプとかスターターモーター交換するほど乗らないでしょうし、せいぜい年間3万円とかぐらいでしょう。
車検時など税金の違い
EVは基本的にエコカー減税の対象で、自動車重量税が減税になります。
テスラで見ると、モデル3は新車登録と初回車検が免税(約3万円×2)となり、
以降エコカー減税対象車(75%軽減措置で約6000円)となりますね。
車検時も点検項目は減るので数千円程度の点検工賃の節約にはなりそうです。
その他のコスト
保険料の違い
EVは割引が適用される任意保険があるがほとんど変わらない
自動車保険はすべての自動車に加入が義務付けられている「自賠責保険」と、任意で加入する「任意保険」の2つに分かれます。
自賠責保険は車種や保険期間などで保険料が変わりますが、電気自動車(EV)の優遇はありません。
保険料は普通自動車であれば24カ月(2年間)で1万7,650円です。
任意保険は自賠責保険だけは補いきれない、あるいは補えない部分を補償する保険です。
任意保険の保険料は車種や保険期間以外にも、車に乗る人の年齢や補償の及ぶ範囲、保険金額や補償内容(車両保険の有無など)によっても大きく変わります。
任意保険には環境性能に応じて保険料が割引されるエコカー割引があり、電気自動車(EV)であればエコカー割引を受けられる場合があります。
といっても年間で1000円ぐらいの割引でほとんど変わりません。
リセール価格の違い
EVがガソリン車よりも購入費用がか高い傾向があったのは過去の話。
現在に至っては競合のガソリン車と同額か、むしろ安いです。価格的にはCクラスの方が高いのでは?
ただし、リセール価格は多少低くなります。以下、ざっくりした相場です。
残価率が60%というのは2年で正直下がり過ぎです。
ただ現状はカラクリもあって、新車購入すると補助金かなり大きな金額でることです。
これを見るとロングレンジが実質450万円ぐらいで購入できるわけで、残価率はガソリン車とそう変わらないという事になります。購入価格もガソリン車よりかなり安い。
今後補助金がなくなると中古車価格も上がると思うので、どうなるか分からないですが、今のところ悪くないです。
まとめ:結局、どちらが安いのか?
価格はほぼ燃料費代の違い
色々な数値を出しましたが、走行による燃料費代がコストとしては大きく違います。
年間1万km走行だとすると、
- ガソリン車⇒500kmあたり6,000円とすると、12万円
- EV(自宅充電)⇒500kmあたり1,000円とすると、2万円
※ただし、ウォールコネクター15万を5年間使うとすると、年3万円追加で計5万円 - EV(賃貸やマンション)⇒500kmあたり3,000円とすると、6万円
その他が、自動車重量税年1.2万円、エンジンメンテ年3万円、ぐらいEVの方が安くなりそうです。
ですので、維持費は本当に安いと言えそうです。
EVは未来の選択肢ではなく”現在”の選択肢
もちろんコスト観点だけで全てを判断できるわけではないでしょう。
マンションに給電設備無い場合は給電にガソリンより時間かかるかもしれません。
30分とかyoutube見てるとすぐですけど。
また、1回で500km以上の遠出を頻繁にする人には出先給電が面倒かもしれません。
しかし、メンテナンスを異常に嫌う日本人には合っていますし、国土の大きさ的にも合っています。
実家住まいだったり、事故の少なく走行距離も相応な30代ぐらいになってくるとどうでしょうか?
少なくとも価格は、既に相応の車格のガソリン車買うより、現実的な選択肢になっているようです。
是非皆さんのライフスタイルに当てはまるならば、検討してみてはいかがでしょうか。
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